MENU

4-2:聴き取った「時間泥棒業務」の中から最初に手をつける一つを選ぶ基準

二回の対話を終えると、手元にはいくつもの業務が集まっているはずです。日々の発注確認から、取引先ごとの細かい調整まで、社員が「面倒だ」「時間がかかる」と感じている業務の数々。この記事では、こうした業務を**「時間泥棒業務」**と呼びます。ここまで丁寧に聴き取りを進めてきた分、その一覧はきっと具体的で厚みのあるものになっているでしょう。ここで多くの社長がつまずくのが、「結局、どれから手をつければいいのか」という選定の壁です。せっかく集めた情報が、選び方一つで宝にも足かせにもなり得ます。

目次

全部やろうとすると、全部が中途半端になる

聴き取った業務が多ければ多いほど、社長は「せっかくだから、まとめて全部改善しよう」という気持ちになりがちです。せっかく聴き取った情報を無駄にしたくないという思いが、逆に判断を誤らせてしまうこともあります。しかし、これまでの章でも見てきた通り、複数を同時に進めることは、社内の混乱を招く最大の原因です。良かれと思った善意が、かえって裏目に出てしまうのです。

最初の一つを選ぶという作業は、地味に見えて、実はこの後の展開すべてを左右する重要な決断です。ここでの判断一つが、数ヶ月先の社内の空気を大きく変えることになります。

選ぶときの、三つの判断基準

最初に着手する業務を選ぶ際は、次の三つの基準で照らし合わせてみてください。

  • 頻度:日々、あるいは週に何度も発生する業務か
  • 負担感:社員が「面倒だ」と感じている度合いが高いか
  • 影響範囲:会社が痛まない、限定的な範囲で試せるか
  • 見えやすさ:成果が出たとき、周囲からも分かりやすい業務か

この三つすべてを満たす業務が、最初の一歩として最もふさわしい候補です。逆に、重要そうに見えても、影響範囲が会社全体に及ぶような業務は、最初の一歩には向きません。基準を機械的に当てはめるだけでも、迷いはかなり減らせます。感覚だけで選ぶよりも、こうした基準を持っておく方が、後から見返しても納得感のある判断になります。

「重要そうな業務」が、実は最適解ではない理由

社長はどうしても、売上に直結する業務や、経営上重要な意思決定に関わる業務から手をつけたくなります。「どうせやるなら、インパクトの大きいものから」という発想は、経営者として自然な感覚です。しかし、こうした業務は失敗したときの影響が大きく、最初の挑戦としてはリスクが高すぎます。大きな成果を焦るあまり、足元をすくわれてしまうことも少なくありません。

ある卸売会社では、社長が最初に選んだのは、経営判断に関わる分析業務ではなく、日々の在庫確認という、地味だが頻度の高い業務でした。この選択が功を奏し、四週間ほどで目に見える成果が出たことで、社内に「これなら自分たちにもできる」という空気が広がっていきました。派手さはなくても、確実に成果を出せることの方が、長い目で見れば価値があります。小さな成功体験の積み重ねこそが、次の挑戦への原動力になるのです。

選定を、社員と一緒に行う

最初の一つを選ぶ際は、社長が一人で決めるのではなく、対話の中で聴き取った内容を社員に見せながら、一緒に選ぶことをお勧めします。決定の場に社員を招くこと自体が、対話の続きとしての意味を持ちます。

「この中で、一番負担に感じているのはどれですか」と尋ねるだけで、社員は自分の意見が反映されていると感じられます。この小さな参加感が、その後の協力体制を大きく左右します。選ばれた業務そのものよりも、選ぶ過程に関われたという実感の方が、実は大きな意味を持ちます。一緒に決めたという事実が、後の推進力にもつながっていきます。

次の記事では、こうして選んだ業務を進める際、番頭格の社員をどう味方につけていけばいいのか、具体的な巻き込み方をお伝えします。今回選んだ「時間泥棒業務」が、次の記事でいよいよ実際に動き出します。

ベテラン社員に応援されながらAIを活かす最初の一歩【無料5大特典】、受け取ってください

記事を読んで「うちも当てはまる」で終わらせず、今日から一歩を踏み出せるように——
そんな方のために、今すぐ使える【無料5大特典】をご用意しました。

【特典1】「うちの会社、何年もつ?」属人化・退職リスク診断シート
【特典2】ベテラン社員の本音を引き出す「二回対話」ヒアリング台本
【特典3】「時間泥棒業務」発見シート
【特典4】ベテラン社員を”敵”から”推進役”に変える巻き込みトーク集
【特典5】四〜八週間で結果を出す「小さく試す」実行プランシート

メールアドレスだけで今すぐ受け取れます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次