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3-3:業務を自動化・知識共有・分析の3つに仕分けると、次の一手が見えてくる

「うちの会社には、非効率な業務がたくさんある。でも、どこから手をつければいいのか分からない」

多くの社長が抱えるこの悩みには、はっきりとした理由があります。目の前の業務を、整理せずに一括りにしてしまっているからです。

整理さえできれば、進め方は自然と見えてきます。逆に、整理をしないまま闇雲に手をつけると、労力の割に成果が出ないという事態にもなりかねません。

目次

なぜ「全部が課題」に見えてしまうのか

洗い出した業務を眺めていると、どれも同じように重要で、同じように手強く見えてしまいます。この状態のまま手をつけようとすると、結局どれも中途半端になるか、あるいは何も変わらずに終わってしまいます。

優先順位のつけようがなく、結局は目についたものから場当たり的に対応することになりがちです。焦りだけが募り、行動が伴わない状態が続いてしまうのです。

必要なのは、業務を性質ごとに分類し、それぞれに合った対応を考えることです。すべてを同じ方法で解決しようとする必要はありません。むしろ、性質の違うものを同じ物差しで測ろうとすることが、混乱の原因になっています。

業務を三つに仕分ける

業務は、大きく次の三つに分類できます。

  • 自動化:決まった手順で繰り返される、単純な作業
  • 知識共有:特定の人しか知らない、経験やノウハウに関わる業務
  • 分析:データや情報を整理し、判断材料を作る業務

例えば、受発注の入力作業は「自動化」に、営業部長の取引先ごとの相場感は「知識共有」に、月次の売上動向の把握は「分析」に、それぞれ当てはまります。同じ「業務改善」という言葉で括られたとしても、中身はまったく別物なのです。

分類することで見えてくる、優先順位

業務をこの三つに仕分けると、それぞれの業務にふさわしい進め方が自然と見えてきます。仕分けができた瞬間、次に何をすべきかという迷いが一気に晴れます。頭の中の漠然とした課題が、扱いやすい単位に整理されるのです。

  • 「自動化」の対象は、比較的早く成果が出やすく、社員の負担を目に見えて減らせます。
  • 「知識共有」の対象は、時間はかかりますが、属人化のリスクを直接減らせます。
  • 「分析」の対象は、経営判断の質そのものを底上げします。それぞれ効果が出るまでの時間軸が異なるため、複数を同時に進めることも可能です。

ある卸売会社では、この分類を行った結果、最初に着手すべきは「自動化」に分類された受発注の確認作業だと分かりました。この業務は、社員全員が日々の負担として感じていながら、これまで整理されずに放置されていたのです。分類してみて初めて、「実はここが一番の急所だった」と気づいたといいます。誰も口には出さなかった不満が、仕分け作業を通して初めて表に出てきたのです。

分類の作業自体が、社員との対話になる

この仕分け作業は、社長が一人で机の上で行うものではありません。実際に業務を担当している社員に「この作業は、どの分類に当てはまると思いますか」と聞きながら進めることで、自然と対話が生まれます。社長の視点だけでは気づけない実態が、この対話から見えてくることも少なくありません。一方的な指示ではなく、共に考えるプロセスそのものが、信頼関係を築く機会になります。

社員自身が自分の業務を客観的に見つめ直す機会にもなり、「言われてみれば、この部分は誰かに伝えられそうだ」といった気づきが生まれることもあります。仕分け作業そのものが、社員との信頼を積み上げる一歩にもなるのです。

次の記事では、こうして分類した業務を実際に進める際、心理的安全性がなぜ欠かせないのか、その理由を詳しく見ていきます。分類ができても、それを実行に移す土台が整っていなければ意味がないからです。

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